今日もよろしくお願いします。ふぐふぐ先生です。
この記事では、休み時間や、ちょっとした休憩時間の過ごし方の工夫1つで、子どものトラブルが減るどころか、子どもを褒めるチャンスが増える!そんなコツを紹介します。きょうだい喧嘩が多くて困っているご家庭でも使えるコツです。
多くの学校で、「子ども同士のトラブルが多いんです」という先生の悩みを聞きます。子どもたちは、対人関係のことでは叱られた経験はあっても、褒められた経験が少ない!対人関係についての自信がつかないので、そうするとますますトラブルが増えて悪循環になります。「意地悪をして気をひこう」とか、「自分の強さを示して自分を守ろう」とか、そういったベースで対人関係を築いていくと、どんどん悪循環にはまっていきます。
では、支援者は何をサポートすれば良いか。それは、小さな成功体験を増やし、対人関係について褒めることです。
対人関係の成長のためには、『トラブルが起きたことを叱ったり先生が間に入って解決すること』はあまり必要ありません。むしろ、『(先生がうまくいくようにサポートして、)成功したことを褒める』、これが成長のために必要です。では、どうサポートするかについて、ふぐふぐ先生から具体的に提案します。
休み時間をちょっとだけ構造化する
構造化!?いきなり専門用語出さないで!と思う人もいるでしょう(笑)大丈夫です。後で具体例を出します。
休み時間、支援者が「みんな自由に過ごしていいよ」、「リフレッシュできるように過ごしてね」と伝えているとしたらどうでしょう?「自由」な休み時間では、リフレッシュできない子どもが非常に多いのです!むしろ、自由な休み時間ではトラブルが多く、ストレスフルな状態で次の授業を迎えなければならなくなってしまう、そんな子だっています。
コツ① 「物」や「単純ルール」を介した遊びを用意する
まず最初に、ジェンガをおすすめします。ジェンガは人と人との間に物があり、適度な距離感が生まれます。その上、ルールが単純です。一度失敗しても、すぐ次のゲームを始めることができます。トラブルが多い子は先生と2人で遊んでも良いし、ステップアップの子には、3〜4人のグループで遊んでも良いです。
もちろん、ジェンガでもトラブルは生じます。それでも、「自由に過ごしていいよ」という前提の休み時間と比べると、トラブルは少ないはずです。そして最大のコツは、うまくいった事を褒めたり、楽しさを言葉で共有することです。「仲良く遊んでる君たちを見ると、先生嬉しいよ!」「すっごい楽しそうだね、素敵な昼休みだね!」「昼休み喧嘩なくリフレッシュできたから、5時間目は集中できてるね」「先生も楽しいよ!」など。いろんなバリエーションで褒めてください。シールや花丸をつけるチャンスでもあります。
コツ②友達と並行して遊べる物を用意する
例えば、けん玉です。1つの物を介して遊んだり、みんなと入り乱れて遊ぶことは、トラブルが多くなる原因です。先生を中心にしてけん玉で遊ぶのがおすすめです。やっていることはそれぞれ1人遊びなのですが、同じことを輪になってする。
・一人1つずつ けん玉を持ち、適度な距離感で遊ぶ
これは、個人遊びでもあり、集団遊びの入口でもあります。それぞれに見せ合ったり、コメントしたり。みんな「先生に見せたい!」という気持ちでやっていても、いつの間にか仲間と遊んだ感覚が得られます。
最大のコツは先ほどと同じく、褒める事と、楽しさを言葉で共有することです。
コツ③ ひとり時間を過ごせるような工夫をする
疲れをとり、リフレッシュするためには、ひとり時間はとても大切。だけど、ひとり時間を過ごせない子、どう過ごしたら良いか分からない子はとっても多いものです。刺激があると、それに飛びつきたくなる傾向のある子が多いので、考える間もなく、目の前の刺激に飛び込んで行ってしまいます。例えば、ドッヂボールに加わる、ダンスしてる子のところに行く、先生にずっとくっついている、などです。自分から刺激に飛び込むけど、それはリフレッシュにはつながらず、むしろ疲れてしまっている、そんな事がよくあります。(人生で最も楽しいのも対人関係ですが、最もストレスフルなのも対人関係です!)
なので、支援者が工夫をして、ひとり時間を過ごせるようにサポートすることも大切です。
ひとり時間を過ごすためのアイデア集
・パーテーションで自分空間を作る。
・塗り絵、描画セット、ひとりで作れるクラフトなどの創作系グッズ。
・音楽を聴くための道具(昔ながらのCDデッキがおすすめ)
・感覚刺激を得られるグッズ
(バランスボール、スクイーズ、キラキラした物、粘土、プッシュポップ)
・これらのグッズを「自分時間ボックス」に入れて、そこから自分で選ぶ。
・ひとり時間の良さ(リフレッシュ効果など)を授業や個別指導で教える。
コツ④ 遊びのメニュー表を作っておく
ここまでコツ①〜③で、いくつかの遊びを紹介してきました。でも子どもたちは、目の前の刺激にひきつけられるので、頭の中で「今日はこれをやろう」と適切な過ごし方を選択することはできません。それに、支援者もいつでも子どもの側で「今日は何をしようか」と一緒に考えられるわけではありません。
ここで「視覚支援」の出番です!休み時間の「遊びのメニュー表」(「過ごし方のメニュー表」)を用意しておくと良いです。そして、多くの場合、イラストか写真をつけた方が有効です!文字だけの場合、昼休みにみんなが一斉に動き出す中、メニュー表に注意を向けることは困難です。
メニュー表を理解できる前の段階のお子さんもいますよね。文字や写真では理解が難しい子どもたちです。そういうお子さんたちには、「実物」を使うのがベストです!使ってもいい「過ごし(遊び)のグッズ」を1つのカゴに入れておき、それを昼休みに出して、自分で選ぶ。これが、メニュー表と同じ役割を担います。
今回の記事では、いくつかの方法を紹介しましたが、どれも共通項があります。それは、「うまくいっている時に子どもを褒める」ということです。「褒める」が難しいこともあります。ただ「注目する」「見ながら微笑んであげる」「先生も楽しい!」と言ってあげる、連絡帳に「今日の昼休みはとても良い時間を過ごせました」と書いてあげる、なども良いです!こういうことをしていくと、子どもたちは休み時間の過ごし方がどんどん上手になりますが、褒めるのを怠ると、子どもたちはより刺激的な遊びに入り込み、トラブルの多い休み時間に戻ってしまいます。
ぜひ、①休み時間をちょっと構造化する、②褒める のセットを続けてみてください!
休憩時間をうまく過ごすスキルは一生物です。大人になっても、うまく休憩できる人は仕事面でも成功に結びつきやすいです。子どもたちの豊かな未来のために、いろいろな工夫を試していきましょう!