注目欲求が強い子への3つの支援方法とNG対応

先生・支援者向け

こんにちは。ふぐふぐ先生です。この記事では、「注目欲求の強い子」にまつわる支援アイデアについて紹介していきます。

 

この記事の流れ

 1.注目欲求が強い子の理解

 2.NG対応と、3つの支援方法

 

1.注目欲求が強い子の理解

当たり前の事ですが、ほとんどの子どもは注目欲求が強い、と言えます。就学前〜中学生くらいまでのお子さんならもちろんですが、高校生や成人期でも同様です。みんな、根っこには「誰かに見ててほしい」「すごいって思われたい」「成功した時は誰かに何か言ってほしい」、そんな気持ちを持っています。もちろん生まれつきの要因や家庭環境などによって個人差はあります。

 

ここで注目欲求を2つに分けてみます。

 ①適応的なやり方での注目欲求

  (注目欲求のポジティブ行動化)

 ②不適応的(反社会的)なやり方での注目欲求

  (注目欲求のネガティブ行動化)

 

行動を「適応的」「不適応的」とか、「ポジテイブ行動」「ネガティブ行動」と二分化することは本来できませんが、説明をシンプルにするための仮の定義づけと捉えてください。

 

①適応的なやり方での注目欲求

 (注目欲求のポジティブ行動化)

 

具体例を挙げます。

就学前・・・「抱っこして」/「来て」/「見てて」/拾った木の実を次々パパに手渡す/ママが離れると泣く/など

小学生・・・描いた絵を先生に見せる/休み時間に折り紙を作って友達に見せる/休日のお出かけについてお喋りする/家であった嫌な事を言葉で話す/持っている物を自慢する/友達と喧嘩したことを先生に言葉で話す/係の仕事をして活躍する/など

中学生以降・・・自分の個性や良いところを伸ばして、人に注目される/ユーモアのセンス/意外な事を言う/人と違ったグッズを持つ/ファッション/部活や委員会で活躍する/得意な教科で発表する/人に注目されなくても趣味などで自己満足できる子もいる/相談室でお話しする/など

注目を得たい、という気持ちはみんな同じなのですが、上記のように、適応的なやり方で注目を浴びる、つまり、注目欲求をポジティブ行動化できている時は、本人の自己肯定感も高まっていくし、「こうすれば皆に注目してもらえる」という良い学習を繰り返して、「もっと良いことがしたい」という好循環が生まれます。

 

発達に特性がある子は、親や先生の顔色を見て「このやり方が良いんだ!」と発見することが難しいことが多いです。ですが、発達特性のある子は、他の子のやり方を見て良いところを真似するのも苦手なことが多いです。そのため、注目欲求のポジティブ行動化が少なくなり、好循環の入り口に入りにくい、という特徴があります。

 

または、親の側が過度に忙しかったり、体調が悪かったり、ご自身の何らかの辛さがあって、お子さんの適応的な注目行動に反応してあげることができない状況であったとすると、それも好循環に入りにくさにつながります。こういった場合は、親も助けを求めている、親も困り感があると捉える必要があります。

 

今お伝えしたように、注目欲求のポジティブ行動化が少ないお子さんは、次にお伝えするような「ネガティブ行動化」に陥りがちなのです。

 

②不適応的(反社会的)なやり方での注目欲求

 (注目欲求のネガティブ行動化)

 

ここまで、適応行動で注目を浴びることで好循環が生まれる、という話をしてきました。

でも、みんなそう上手くいくわけではありません。発達の特性により社会性を発揮するのが難しかったり、親の側が子どものポジティブな注目行動に注目できなかったり、家庭環境により心が傷ついて反社会的な行動が増えていたりすると、好循環が生じず、むしろ悪循環が生まれていきます。

 

具体例を挙げます。

就学前や小学生・・・先生や親に噛み付く・つねる・蹴る・叩く/トイレではない所でおしっこをする/(追いかけてほしくて)逃げ出す/友達の物を盗む/盗んだものを自分が発見者になって先生に渡す/大きな音をたてる/授業中に先生の教卓に座る/作り話をして注目を得ようとする/自分が被害者であるような嘘をつく/など

中学生以降・・・上記のようなことが中学生以降も続く場合もあります。さらにこの年齢になると、「注目されたい」という気持ちに諦めが生じて、内にこもる、社会との関わりを拒否する、という状態になることもあります。

以上が具体例です。こういった行動があると、支援者や親は感情的になることも多いです。「なんでこんなことするの!」「ほんとに困った子」といった気持ちになり、叱ったりペナリティ(おやつ抜き、等)で対応したり、悩みながらもいろいろと対応してみるものの、うまくいかない、ということがあります。

 

こういった子どもへの眼差しとして、「この子は困っている」という前提に立つことが大切です。有名な言葉で、『「困った子」は「困っている子」』という言葉があります。大人からしてみたら「困った子」なのですが、子どもの視点に立つと、「困っている」という部分が見えてくる。この見方を出発点にして、子どもは本当は何を求めているのかを深掘りすることが、その子に合った支援策を見出すことにつながります。

 

不適応的な注目行動に対するNG対応

 

不適応行動に対して、なるべく避けたい対応法があります。

それは、「普段よりも不適応行動をしている時の方が注目を浴びる」ということです。普段、普通に着席している時にはあまり褒めたり声かけしたりしないのに、不適応行動が起きている時に、ここぞとばかりにその子に関わる、という事態が起きないように気をつけなければなりません。

 

よくあるNG対応の例

 ・強く叱る

 ・不適応行動の最中に多くの支援者が子どもに声をかける(どうしたの?など)

 

これらの関わりは、子どもたちが「こういう事をしたら先生ともっと関われる」と意識的または無意識的に学習することにつながってしまい、ますます不適応行動が増える、という悪循環にはまっていきます。

 

不適応的な注目行動に対する3つの支援策

 

では、不適応行動で注目を集めようとしている子どもに対する支援策、代表的な3つを紹介します。

 

①適応的な(ポジティブな)行動に注目する

 みなさんは、その子の良い行動を1日にどれだけ見つけられますか?

不適応行動が多い子でも、よく観察していると、良い行動をしている時が何度もあります。

普段から忙しい支援者は、そういった良い行動に目を向けることが難しく、問題が発生した時だけ関わりがちですが、それでは好循環を生むことはできません。

不適応行動を叱る以上に、普段の良い行動を見つけて、その時に褒めたり声をかけたりすることが大切です。

とは言え、そういった関わりを始めても、すぐに不適応行動が減るわけではありません。ポイントは、長く続ける事ですし、担任が変わった際にも、それをしっかりと引き継ぐことです。長期的な支援として、継続していくことが大切です。

 

「褒めても喜ばない子」にどう関わるか、というポイントも非常に大切です。自己肯定感が低くなっている子や、普段褒められていない子などの中に、「褒めても喜ばない子」が多く存在します。

 

 褒めても喜ばない子への支援アイデア

  •    大袈裟に褒めず、さりげなく褒める
  •    直接褒めるのではなく、間接的に褒める(本人に聞こえるところで、「◯◯くん、今頑張ってますよ」と別の先生に話す、など)
  •    喜ばなくても褒め続ける

褒めても喜ばないからと言って、何もしなければますます悪循環に入っていきます。上記のポイントを参考にして関わってみてください。

 

②不適応的な行動をしていない時に声かけをする

その子は四六時中、不適応行動をしていますか?そうではないはずです。「良い行動」まではいかなくても、通常モードの時はあるはずです。そんな時に、声かけしたり、コミュニケーションをとっておくのです。簡単に言えば、普段からの(叱る、ではない)コミュニケーションを多くする、ということです。

特別なことはする必要はありません。その子が今やっている事を口に出して言ってあげるだけでOKです。絵を描いてる子には、「お!今日も絵を描いてるねー」、「今日描いてるのは恐竜かー」だけでOK。水槽を見ている子には「◯◯くん、メダカ真剣に見てるね!」と言い微笑んであげるだけでOKです。そういうコミュニケーションの積み重ねは、注目されたい、という気持ちを満たすので、不適応行動の予防策として有効ですし、何より信頼関係の構築につながります。

「この子には叱ってばかりだな」と思うようでしたら、積極的にこの方法を試してみてください。

 

③適応的な行動をするための仕掛けを作る

最後に紹介するのは、「良い行動をした時に褒める」の一歩前の段階の支援です。その子が自然と、自発的に良い行動をするのを発見して褒める、という機会を待つのでは、なかなかうまくいかないことが多いです。多くの支援者は、「褒めるところがあまりなくて・・・」「今日も褒められなかった」と言います。それは、適応行動をするための仕掛けを作っていないからです。言い換えると、偶然に頼っているからです。

 

必然的に、その子を褒めることができるような行動が起こる仕掛けを作りましょう。

そのために最も簡単なのは、「役割を与える」ということです。

授業中の役割であれば、例えばこんなものがあります。

 

 ・作品等の写真撮影

 ・iPadとテレビを繋ぐ係

 ・配り物

 ・授業で使ったマグネットを外す

 ・校長室にお届け物をする

 ・保健室に作品の写真を持っていき、感想を聞いてくる

 ・花の水やり

 ・黒板消し

 

大切なのは、その子がやりたくなるような役割にすることです。その役割が偶然必要になった時にお願いする、というのでは効果は低いです。その子のために、あえて役割、お仕事を捻出してあげることが大切です。

もちろん、取り組んだらしっかり褒めたり、シールを貼ってあげたりする工夫があると素晴らしいです!

こういう事を、その子だけ特別にやったりすると、他の子から「ずるい」「特別扱い」などの声が上がることもあるでしょう。そういう時の返答の仕方は、みなさんがそれぞれに真剣に考えておく必要があります。「みんなそれぞれ目標が違って当然だよ。◯◯くんは、今この役割に取り組むことが大切な目標なんだ」と、ごまかさず、きちんと返答してあげるのも良いと思います。

 

以上、今回は、注目欲求が強く、不適応な行動をしてしまう子への支援を3つ紹介しました。子どもたちが達成感を感じる機会が少しでも増えると嬉しいです。

 

今回は「注目欲求」を切り口にして解説しましたが、別の記事で、多動性衝動性、感覚刺激欲求が高くて不適応行動が多い子への支援についても紹介しています。こちらもぜひ参考にしてください。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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