支援級担任のよくある失敗3選〜学級経営のコツ〜
今回は、数多く見てきた支援級の中でも、よくある支援の失敗例を3つご紹介します。
1.子どもに「高すぎる目標」を持って接してしまう
発達段階が様々なお子さんが通っているのが支援級なので、それぞれの子の発達段階を担任がイメージできて、それに合った目標を担任がもつことが大切です。
集中力の持続時間が20分程度の子に、リフレッシュタイムなしで45分の授業に集中する事を先生が期待してしまいます。そして、期待通りにならず途中で騒ぎだすと、先生は子どもを叱る。そこから先は、悪循環に突入です。
こんなふうに、先生の期待度が高すぎると、子どもは失敗経験が多くなり、そして悪循環に入りやすくなってしまいます。よく支援級の先生から、子どもの行動面の問題について相談されますが、その背景に、先生の高すぎる目標設定が関わっていることがほとんどです。逆に、先生が低すぎる目標を設定している、という場面には滅多に出会いません。ついつい高い期待や目標を持ってしまいがちですが、子どもに適した、ちょうどいい目標設定は、子どものやる気をアップさせたり、成功体験を増やすことにつながります。
2.授業が面白くない
身も蓋もない表現ですが、「授業が面白くない」ということが背景にあって、子どもたちが落ち着かない、という場面は非常に多いです!
・子どもの好奇心を満たす内容
・ゲーム性がある構成
・ずっと座りっぱなしではなく動きがある授業
・一人ひとりが褒められる場面、活躍する場面がある
上記を参考に、明日の授業が「面白い授業」になるように、工夫をしてみて下さい!
3.「後手」の支援・指導が多くなっている
子どもたちの行動問題に追われてしまっている支援級は、ほとんど「先手」ではなく、「後手」の支援・指導になっています。
例えば、
・子どもが授業に飽きて教室内を走り回った
→先生が別室でのクールダウンに促す
・昼休みに子ども同士でサッカーボールの奪い合いの喧嘩になった
→先生がそれぞれの話を聞いて物の使い方のルールを指導する
こういう場面はよくあると思いますが、「後手」の支援・指導と言えます。先手・先回りの支援があれば、子どもたちは叱られる場面より褒められる場面が多くなります。トラブルが起きがちな事柄を先生が整理して、先回りの支援をしていきましょう。
・1コマの授業で最後まで集中するのが難しい子には、間にリフレッシュタイムを入れる。
→この支援で、飽きて走り回った後で指導をする事を減らすことができます。更に、1コマの授業を最後までやり切った事を褒めることもできます。
・昼休みの遊び道具の使い方は、前もってルールを決めてポスターにして貼っておく。昼休みの直前に、先生は「このルールを守れたら素晴らしいよ」と伝えておく。
→トラブルになりがちなルールは、紙に書いておくことが大切です。もちろん、ルールを守れた子どもたちを褒めることで、ルールの定着につながります。
以上が先回り支援の例です。一見面倒に感じるかもしれませんが、先回り支援を丁寧に行うことで、結果的に事後指導に割かれる時間は減りますし、何よりも、「子どもたちの失敗経験を減らし、成功体験を増やす」、そして「褒められるチャンスが増える」ということにつながります。ぜひ実践して見てください。